[再び開かれた瞳に熱はなくただ静かに、待っていた] ………もう、いいか[やがて静かに立ち上がると、ゆっくりと扉を開けた。他に怒号は、悲鳴は、聞こえただろうか。一歩、二歩進み足を止める。二つ隣の扉。咽び泣いていた男の部屋から、もう咳は聞こえない] おい カシム[赤で重くなった黒い軍服で、扉を叩き暫し返事を*待つ*]