[人間が足をもつれさせながら視界の外へ去るのを待ち、改めて書斎を目指したが──] …違うな。[自分の感覚が確かなら、ここに階段はなかったはず。目くらましか、空間歪曲か。タクマの血をもらっておけばよかった、と思った。そうすれば、彼がどこにいるか感知できたのだが。]