[氷でできた竜の像は、精霊術師の手によって、祭がとどこおりなく済む間は溶けないような加護がかかっている。ゆえに像の周囲はひんやりとした空気が漂っている。少年はただ、その加護をかけた精霊術師のことも、すごいなあと思いながら、佇んでいる像を眺めるだけだ。ふいに、肩に提げている鞄から顔を出した幼き竜にこつんと腕をつつかれるまでは]