[「?」と疑問符を浮かべた兵がつられたように見る先には、燃えゆく船のすぐ傍、船から落ちたか落としたか、水の上に立つ複葉機があった。] ────、[ゴーグルをつけた顔が、一度。砦の、この窓を見上げる。 見えぬ視線が、はたとそこで会ったような錯覚の中、この距離では聞こえぬはずの機関部が唸り声を上げ、滑り出した一機は海に線を引いた。緩やかな加速はやがて勢いを得て、機体は水上から空へと羽ばたき上がっていく。]