人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


野茨公 ギィ

[戯れるように水を掬い上げた掌を上に伸ばせば
水は細い流れとなって腕を滑り落ち、水滴が胸の上で跳ねた。

地下深くよりくみ上げられた水は冷気を帯びていたが、
一度死した身に体温など有って無いようなもの。
人間ならば冷え切るような水でも気にはならず、
湯の出る浴室もあったが、城主はこちらを好んだ。


水の上に漂わせていた体を不意にひねり、抜き手を切って泳ぎ出す。
浴槽を一周、二周、三周、と気の済むまで泳いでから立ち上がり、
ブラインドが上げられた窓辺へと近寄った。]

(38) 2014/02/16(Sun) 22:31:39

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