[記録を通じて、過去へと想いを馳せる。忘れることの出来ない辛く悲しい記憶に苛まれ、容の良い眉を苦しげに歪めるけれど。それでも何かに取り憑かれたように、その手は頁を捲り続けた。やがて無言のまま文字を追っていたリゼットの視線が止まる。そこには、白銀の村に降り掛かった人狼禍の記録が記されていた]