── 第3エリア:テオ死体前 ──
[ それは、ネームプレートを、落としてからのことだっただろう。
死体をじぃっと眺めながら。
その目に、もう一度、触れようか、と、手を伸ばしたところで。
気配を感じた。>>33
その手を引っ込めて、振り返る。
そこには、副艦長。
ぼんやり、近づいてくるのを眺めていれば、声を掛けられたか。 ]
ガートルード、
[ ぽつり、呟いてしまった名前。
これきりだと、自らが告げた癖に、呼んでしまった名前。
目を失った死体を見て、気が動転していた所為だろう。
何かに縋りたくなった、などと、口が裂けても言わない。
彼女がテオドールを調べるようであれば。
その様子を、茫と眺めていただろう。
聞かれたことには、答えるつもり。 ]**