[バルタの案内を受けて、天幕に入る。外の喧騒と一枚隔てた天幕の中で、フェリクスが静かに眠っていた。布で覆われていたが、流れる血の多さが傷の深さを物語っている。] フェリクス…… 我が兄弟よ。なぜ逝ってしまったのか―――[もう目覚めることのない彼の前に膝を付き、冷たくなったその体を抱き上げる。そして、人目もはばからずに泣いた。慟哭、と呼んでいいその嘆きに、周囲の兵も涙を滲ませる。]