[ 幻影を生み出す黒紫のそれが消え、やがて階層全体が見えてくる。仄暗い明かりさえも生み出していた軟体が消えて、辺りは白けた薄闇に変わっていた。――と、瘴気と幻影に遮られた風の気配を感じ。 ]……カーク、エレオノーレ![ 扉を開けてその奥へと進んだヴェルナーの肩越しに、偵知に送った風が戻ってくる。 ]