[地面を踏む足が酷く重く感じられるのは、理由を問うまでもない。
低く、まるで圧し殺すような声が響く。
それを聞いても振り返らなかった。
…振り返れは、しなかった。
それが糾弾よりも別の音に聞こえて、一度足を止める。>>7]
…… それを事実とした時に、
ウェルの気持ちが救われるのなら。
(国の者を愛していられるならば。)
きっと御前の父を害したのは俺なのだろう。
[声を張った訳でもなかったから、届かぬとも分からないが。
彼を振り返る事はしなかった。
その後ろにできあがった溝の深さを見ずとも、最早埋まらない事くらいは予想できた。
見たくなかった、とも、言う。
騒然としている宮中の人の中に、混ざって外へ向かう間中。
白鷹は俺の側にはいないで、先々と飛んで行ってしまっていた。]*