―2日目・AM9:30・第五訓練場―
[魔力を配る、という行為自体に思うことがあるわけではないのだと、相手>>35の否定の言葉を聞けば自分の予想は確信に近付いた。指で触れるなんて益の無い行為に価値を見出す理由は限られてくる。執着が生まれるなら、なおのこと。
こちらの質問への静かな返事。
それを受け取れば、じっと相手を見つめて]
……君、やっぱり不思議だね。
もっと穏やかな道だってあるのに。
[自分は誰かに安定を与えられる人間ではない。その自覚はあるし、噂を耳にしていたなら相手もそれは分かっているはずだ。
分かったうえで求めるのなら、逃がしはしない。
そっと相手のうなじへと手を添え、自分の方へと引き寄せれば軽く唇同士を重ねた]
――……いいよ。
僕も、君の行く末を見てみたい。