― サクソー川:橋の北西付近 ―
[戦場にありながら、ダーフィトはエディと愛称で呼ぶ。
その呼び声によって不意に浮かび上がる過去の記憶の断片が、今まさに振われんとする剣先に重なった。
記憶に焼きついた剣の軌道、それが見極めの一助となったのか、刃は相手の鎧の継目に食い込む。>>23
手ごたえありと見ると、一気に振り抜いた。]
だぁああああっ!!
[肉を裂く感触、だが深くはない。
こちらの速度が上回ったのには刹那、安堵する。
弱点への攻撃をと誘った上で剣先の軌道から狙いを的確に読み、その上で正確に叩き落しに来たその流れるような一連の動作>>17ひとつとっても、ダーフィトの剣技は今までに対峙した誰よりも上をゆく。まともに食らったら剣を叩き落とされ勝敗は決していただろう。]