―― 医務室に向かう通路 ――
[医務室への廊下を、ゆっくりと歩く。
他の者に合わせる必要がない歩調は、疲れて覚束ないもので。
どれだけ進んだあたりだったろうか。
背後から聞こえてきた、此方を追うような遠く微かな足音に、さっと振り向く。
けれど、現れた姿が、ちょうど探していた男であったと知れれば>>26]
ああ、丁度良かった。そっちに行こうとしてた。
[手が塞がっているため、医務室の方角をくいと顎で示す。
その額に貼られた医療用テープに気づけば>>2:258]
ようやくどうにかしたか、その頭。>>2:258
あの状態で走り回るなんざ、頭がどうにかしてるんじゃねえかと。
[そんな風に、微かな安堵が滲む声で、表情だけは皮肉気に]**