[権威のけの字もなくなるような醜態を晒して気を失う上級吸血鬼を前に、男はつまらなそうに] 僕らに敵対しようと考えるくらいだから、もうちょっと頑張ってくれると思ったのに。[唾液に塗れた爪先を引き抜き、倒れる吸血鬼のマントでそれを拭った。そして傍らにいる愛しい人《ダーフィト》へ] こんなの見せてごめんね[と、小さく謝るだろう。]