― 平原南 ―[停止した戦場を、味方の兵達も隊列を組み直す。話をするカレルの横で、盾兵と軽歩兵が交互に並び列を作り、弓兵が後方に並んだ。義勇兵は更にその後ろで隊列も作らずに集まっている。ハラハラとしながらカレルの様子を窺っているのは目に見えて明らかだった][当のカレルと言えば、カナンを前にして両手に拳を握っていた。緊張、悲しみ、悔しさ、様々なものを示す拳は、カレルの両脇に垂らされている。堪えるようなそれは、カナンから言葉が返るまで続いた]