[名前通りの姿になったヴォルフに足首を舐められて、笑み浮かべた。
先ほど捻られたそこは、痛いは痛いが動きに支障は無い。
狼に跨ることはめったにないが、馬よりもスリリングな体験になるのは知っていた。
弾む背を太腿で挟み、足のバネを使って身体を安定させる。
その技術は騎馬民族直伝のもの。]
喰らいやがれ。
[上へと昇る蒼の男を睨みながら、適当に念じて出てきた矢を番える。>>29
放たれた矢は、鷹の鳴くような音を立てながら飛翔した。
どうやら戦いの再開に相応しい鏑矢だったらしい。
殺傷能力は低いが、当たれば相応の痛手になるだろう。**]