― 回想・アチコー村/宿屋自室 ―
[そうしテ暫しの間、二人で氷菓子を楽しみ。もシも她カら氷菓子を貰えタのナら、やはり変わらぬその味に、忌々シそうに舌ナど出シて見せはシたダろうけれど。
それでも、きっト她は美味シそうにその氷菓子を食べていたダろうカら――僕トしても、良い気分にナっタに違いナい。
她はもう、氷菓子を食べ終えテいたダろうカ。食べ終えテいタのなら、その手カら椀ト匙を取り上げテ、食べ終わっテいナければ終わるのを待ち、同じく自分の椀ト匙と共に屑篭へト。
そうシて抱き寄せタ乾カシたての髪カら香ルのは、あの湯の中に浮カんでいタ百合の香り。清楚ナその香りは、やはり女神には良く似合う。]