― 時は流れて ―
フォレスティが降雨続きで不作?
ああ、対応はノトカー、おまえに一任する。
そういやナイジェルの歴史編纂所建設とかはどうなったんだ?
お、コンラッド。例の講和条約な、あれ、なしな。
あれっぽっちの条件で呑めるわけねぇだろ。
コンツェとベルティルデを国境まで行かせておけ。
暴風の奴はどうしてたっけ?
あいつに首都の裏を衝かせたいんだが…
エレオノーレに手引きを……ってあいつもまだ帰ってないのか。
[腹心たち相手に次々指示を下しながら、廊下を大股に歩んでいく。
ジラルダン帝国を掌握して以来、ほとんど玉座に座ることはなかった。
いまだ、馬の鞍を玉座とし、戦場こそを王宮とする。
そんな生き方をしている。]