[その日は珍しく両親と祖父母、家族全員でのお出かけで。
可愛いお洋服を着せてもらえたのは嬉しかったけれど
どこか、大きなおうちの前に連れてこられて
ここで大人しく待っててね、と言われたのに駄々をこね
困った母が父を頼ろうとした隙を狙って手を振り解き
駆けだした先、山の中に飛び込んだのは
ここなら容易には捕まらないだろうと思ったから]
ふふーん、だ
これくらいのみち、へっちゃらだもんね!
[わがまま放題甘やかされていたとはいえ、
未来の騎竜師として教育は始まっていたから
多少の山道にてこずることも無く、
目についた野兎の愛らしさに思わず追いかけて
更に奥へと進もうとした矢先、だった]