[ 彼が後退を許してくれたのなら、
床を蹴った勢いで飛び上がり、壁を蹴って
大きく彼と"彼女"と距離を開けるように飛び退り
メイン・サロンの床に着地――したが。
すぐに右の脚が訴えてくる激痛に瞳を歪ませた。 ]
―――――― …ッ
殺される側にも言い分が …あると、言うなら
[ ハ。と。 ]
[ 荒い息を吐きながら敵意の滲んだ双眼が
"彼女"の空色の瞳をキツく睨み返す。 ]
自分以外は殺さずにいられない 僕 にだって
言い分は ―――― ある、さ
自分たちの利益の為に"僕"を殺す
生きるために"君"を殺す 僕の、 何が違う…!
[ 吼えるような声音で叩きつける言葉の全てが全て、
彼女や彼に届くとは獣はまるで思っていなかった。
前方から漂う匂いを追って追撃を試みようと企むが、
傷口の痛みと、失われた理性が故に気づくことが出来ない。 ]
[ 彼と"彼女">>34と距離を離したのは獣自身であり、
遮るものもなければ銃口が獣に狙いを定めるには十分だと。* ]