──…
[ギギ、と低く軋んで、地面が凹む。
頭部を圧で完全に囚われながら、金属犬の四肢が暴れた。
軋み、歪み、動かぬ顎をガチガチ鳴らしながら。
上に乗った兎は小さく首を傾げる。
ぐぐ、ぐぐ、がぎん、と変形する金属の音]
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[金属で鎧われたゴーレムの頭部はついに、ひしゃげて
グジャ、と鈍い音を立てて潰れた。
それきり核を失った四肢も動かなくなる。
小さな兎は薄赤い眼を細めて踵を返し、既に音の少なくなった闇の中へ耳を立てた。
風を切る音。散る黒羽根。
闇を飛翔する鴉にひかれて、追うように跳ねた*]