─ 過去・晩秋のソナタ(仮)>>34 ─みゃー[しばしジッと紙面を見ていたが、伸ばされた手に目を伏せ、ごろごろと心地よさそうに喉をならす。 名前を問われ、いまはスノウだ、と応えたつもり――並んだくつかの名前の中にはそれはなくて] にゃう [そんなとき、冷たい風がふっと吹いたとともに、ちらりと初雪が二人の間に降り注ぐ。 ほんの僅かな初雪。白いそれにじゃれるようにして] にゃー! [これだよ、と言うようにマリエッタに向き直った]