― 拠点 ―[拠点へ降り立つ頃には、既に日が暮れていた。連れ帰った又従妹の姿に、居合わせた兵が数名駆け寄りざわめき始めるが。] ……待て。この娘、私の親族だ。[別部隊の隊長が、その言葉に眉根を寄せ。庇い建てするつもりか、と、武器を構える……が。] ……だから、待て。私の親族だと言っただろう? この子は、リッター家本家の娘だ。私の又従妹に当たる。[その言葉に顔面は蒼白になる。……ああ。そもそもそう言えばこの部隊長に、出自の話をした事が無かったかもしれない。]