[若い、うさぎの子と視線が交わる。
毛布に包まったまま、恐る恐るとばかり言を紡ぐシェイへ
そっと手を伸ばした。
そんな自分を、至近に存在するマレンマはどう思っただろう。
解らないけれど、ちらり視線を盗み見てから
『おいで』とシェイへ指先を伸ばす]
終わったよ。……皆、オオカミになっている筈。
嘘をついていて、ごめんね。
[伸ばした指先は、触れ合う一歩手前で引き戻される。
彼がウサギのままであったなら、自分が触れて穢してはならないと
ずっと、そう感じていたからで。
拡げられた、小さな掌へと視軸を、落とす。
シェイの身体の変化を、暫し静かに見守り――]