[ おじさん、彼女、という呼称から、親娘の予測は外れていたかと修正する。
ローランド・アッシュと名乗った男がリュゲナーの政変を知っている様子なのには別段、違和感は憶えなかった。
まだたった10年前のことだし、男は旅慣れた様子をしている。
もう一人が、翡翠の巫女と名乗ったのを聞けば、いささか驚いた。
相当な伝統をもつ地位だが、当代は随分と行動派らしい。]
お会いできましたこと、望外に思います。
[ これから"他より抜きん出し力"を示すべき相手と思えばおかしな挨拶かもしれなかったが、彼らに恨みがあるわけでもない。
奇遇を嘉し、神魔があつらえた試練だというならば、ありがたく手合わせしよう。]