── 調査開始より数日経ち ──
[監査局と参謀本部と。
調査を進めれどいまだ確固たる情報が出ぬ、と。
難航の色に、現場は張り詰めた空気に包まれていた。]
[監査局長がどうであったかは言及しないが
参謀総長においては次なる謀略の策を巡らせていた。]
[正念場というのに雑念の混じる頭はどこかぼんやりと。
雑念の生ずるところは心当たりあれど、どうしたものかと
考えあぐねて。]
…きっと糖分不足なんやな…。
最近全然城下出てへんし……。
[それに、宮廷画家も姿を見せない(戸棚のお菓子が底を尽きた)。
男にとってどこまでが本気なのか。よろよろ、覚束ない足取りで廊下を行き過ぎたと思えば、俊敏な身のこなしで門からではなく、宮廷の壁を越えて城外へと繰り出した。]