― 夜間 ―
――…サシャ
[ なぜかこぼれ落ちる言葉、そしてどこからか人の気配を感じ意識が浮上する。
また、サシャが魘されているのであろうか?
そっと起きだしドロシーに言われたことを実践しようとサシャのベットに近づいた。
こんもりと盛り上がった毛布におっかなびっくりとカシムは自分の手を入れサシャの手を探すも、そこには人間の感触ではあり得ない、人工物のふわふわした感触が返ってくる。
不思議に思い、毛布をめくると中からは彼女の怪獣の着ぐるみが顔をだす。 ]
・・・・・・サシャ?
[ こんな夜更けに彼女はどこへ行ったのだろうか?
トイレかとも思い暫く待ってもみたが、その夜はついぞ彼女が帰ってくることはなかった。
……カシムはまた彼女の手を掴めない。* ]