[最初に接敵したのは、やはり速度に優れた狼牙族だった。戦場の外周を大きく回って、人間に近づいていく。彼らの戦いは狩りと同じだ。集団の外側をおびやかし、うっかり集団から離れたものがあれば群れで襲い掛かる。騎馬兵が向かってくればまともには相手にせず、一旦離れた。追ってくれば、暫くは鬼ごっこの様相になっただろう。ただし、鬼が足を緩めれば反転し、隙を見せれば襲い掛かる命がけの遊戯だ。]