― 月の舞台 ―[己の産まれてからの時間が長いのか短いのか。それすら判然としないメルヒオルは、ツェーザルの話>>35理解出来ずにいた。けれど、気にすることじゃない、と彼が笑うため、この話題はここまでとなり]わかった、じゃあ空で。[意識は直ぐに『儀式』へと向く。翼を存分に使う空中を戦場と定め、メルヒオルは背に意識を集中した]─────………っ![メキメキと音を立て、メルヒオルの背に蝙蝠のような皮膜翼が現れる。ツェーザルの翼とは似て非なる、黒緑の翼]