[水精が謝罪を受け入れてくれたことには安堵するが、
続けられる言葉>>29に思わず顔を歪める。
精霊の存在を信じていなかったから、
無責任に『本気でやる』などと言っていられたのだ。
家族との関係すらまともに処理出来ない自分が、
他の誰かを救える存在になれるとは到底思えなかった]
でも、……私、ただの中学生なんですよ。
世界を滅びの運命から救うとか、そんなこと――。
[――出来っこない。
かろうじて言葉を飲み込んだのは、水精の言葉に宿るいろのせい。
母の子に向けるにも似た想いを無碍にすることは、玲緒には出来ない]