― ─ 十年以上前のお話 ─ ―
[三代続いた騎竜師の家は、
今代においては実は存続の危機を迎えていた。
というのも、竜の世話役をしていた頃は大家族だったが
騎竜師として独立する際の家屋や竜舎やらを整える費用に
拵えた借金を早く返済するため出費は最低限に抑え
子供は一人だけ、と決めたからなのだが。
幸い祖父母の代で順調に借金も返し終わり、
また大家族に戻っても大丈夫と太鼓判を押されたものの
こればかりは授かりもの、中々子が出来なくて
ようやく生まれた一粒種の娘は、
それはそれは可愛がられ、甘やかされていた結果]
いーーーーやーーーーー!!!
あっちであそぶのーーーーー!!!!
[どこに出してもはずかしいわがまま娘に育っていた]