……なんか、体がだるい……。
[能力の濫用は、知らず知らずの内にリュカの身体を疲弊させていた。
そんなリュカの背後から、突如がさごそと、奇妙な物音がした]
へ? なに……?
[と振り向いた先。
そこには火の魔力を纏う巨大なネズミが、その鋭い牙を剥いていた]
ひあ、ま、魔物……!?
[戦わなければ、と唯一の武器である身の丈程の棒を構える。
しかし体に力が入らず、先端の位置が定まらない。
そうこうしている内、ネズミの牙は眼前へと迫り]
う――うわあぁぁぁああ!?
[リュカは悲鳴を上げながら尻餅をついた*]