……るぅ。[霧の向こう、何かがざわつく気配がある]…………帰らないというなら、仕方ないけれど。容易く奥に進めると思うのは、よくないのだよ。[以前であれば存在しなかった、奥地に進むのを阻む者たちがいるから……というのは、口にしない]この地は、眠るべき者のための地。そこに人が踏み込むのは、よくないのだからね。[代わりにそれだけ言い置いて。少年はくるり、と踵を返す。ざわめきの源を見に行った──とは、気づき難いやもしれないが。**]