[>>28 やる気の感じられない攻撃に使われた刃は、相応に容易く止められる。それでも眼前の吸血鬼を傷つけられるのはその聖性故。顔にかかる血飛沫に一瞬目を庇うように伏せた。] 主が、…人の子らを苦しめることがあっても、それが御心なのではない。[返す応えは淡々と、予定調和の問答と同じものを。引きちぎられたロザリオを目で追う。] ―――…お前にはわかるまい、化け物よ。[頬を伝い流れる血の芳香に酔いそうになりながら、其れが口に入らぬよう袖元でぐいと拭った。]