流民 ロー・シェン

[どうなっていたのだろう、思案する。
けれど、褐色は後悔は、しない。

自分で刻を動かし、皆を変化させたから。
爪先へくちづける褐色の頭部へ伝う、優しい感触。

うさぎからおおかみへと変化しても
変わらないものもある。

変わらぬまま、より強い生命体へ変化できたのだ、
……褐色はそれを、喜んでいた。
けれど、離れゆく指先――

彼は再び、拒絶を選択しようとしている。
困惑するよう、褐色は眉尻を落とした]

　群れて生きるのは、…嫌？