[戦い抜き、いくらかへこみを作った小盾と血塗れた剣を手に前へ出る。
仲間と協力して戦っていたこともあり斬り傷は少ないが、石突や腕で払われることが多かったために胸当てもだいぶへこんでいた。
負傷具合はどちらかと言えば打撲が多い]
受け入れ感謝する。
ゼファー軍指揮官、カナン殿。
[それまで呼び捨てていた名に敬称をつけ、精一杯の敬意を表す。
自隊の兵達は、無茶だ、と内心思っていただろう。
カレル自身も分かっている。
カナンとの技量の差は歴然だと。
それでも、ここで全力でぶつかっておきたかった。
あのような、チャンスを与えられた場ではなく、自らの手で彼を乗り越えるために]