私はそのような大層な者ではない。
国と民にいくらか責任を負っているだけだ。
[修験者のように見えるローランドの言葉に首を振ってみせる。>>25
謙遜だの嫌みなどではなく、ごく単純に思ったことを言っていた。]
互いに譲れぬ願いを抱いていることは承知している。
このうえは、神魔の御心に適うような戦いをしよう。
問題なければ、始めるとしようか。
クレステッド。
開始の合図を頼む。
[力をぶつけなければならない相手に、これ以上の言葉も必要ないのだろう。
再び馬上に戻って敵手に目礼し、乳兄弟に声を掛けた。
二本の硬鞭を抜いて、緩く身構える。*]