ルージュは、……どんな血の味がするのだろうな。
[願いの叶う心臓なんて、どうでもよかった。
こうして日々の血塗れた宴が約束された事だけで満たされていた。
ルージュの血を全て啜ることが叶えばそれで、もう
自分の願いは叶う。そんな気さえ、していたから。]
[再び指先で摘んだ赤い虹彩の眼球へ
愛撫でも施すよう舐めたてて。
虚空からそれを落として大きく開いた唇で受け止める。
咥内で眼球を潰すよう噛み砕いて食した頃には
リエヴルの右目には、新たな瞳が生み出されていたか。
喉を鳴らし、潰した眼球を嚥下する。]
見つけ出し、必ずや撃ち落としてやろう。
[誰に視線を向けるでもなく、ただ真っ直ぐに出口を見据えて
カシムが仮死する前に、部屋を後にする。]