[ルートヴィヒ、と胸中で繰り返して、] わたし、…わたしは、ミリエル。 ミリエル・クラリス。[よろしくねと微笑みました。使用人の子の身なりとは明らかに異なる服装。立ち居振る舞い、言葉遣い。恐らくはお祖父様のお客様の縁でやって来たのでしょう。] ユルド社の会長…お祖父様の孫なの。 …ね、あなたは?[頬に熱は残ったままでしたが、つんと澄まして聞いたのです。ルートヴィヒ…彼の答えはどうだったでしょう。それは今は別世界となった淡く温かい箱庭の記憶の一端。*]