― 城内へ ―
[バルコニーへ向かう道とはまた別の場所から、城内への道を探し出す。
右腕の傷口は既に半分ほど塞がっており、止血のための蔦も己が手で引き千切った。]
随分と派手にやってくれますねぇ。
[あちこちから響く戦闘音に耳を傾けながら、血に濡れた右手を指揮棒を振るように動かす。
向かうは2Fの浴室、肌に纏わりつく血も汗も洗い流してしまおうと、この非常事態の中でも男の行動理念は変わらない。]
……ふむ。
[故に広間に二つの気配>>18>>22を感じようとも、特に気にすることなく通り過ぎる。
気配を消そうとも、傷口からの血の匂いは隠すことはできなかった。]