[与えた『種』は、新たな同胞を生み出した。
『融合体』となって以降、同胞へと変えた者は決して少なくはないが、その後まで関わりを持つ事はあまりない。
それは、奏者が他者に固執する、という事がほとんどないが故の事。
だから、彼への接し方は相当に珍しいと言えるだろう。
もっとも、気まぐれな猫の事、それがいつまで続くのかは未知数ではあるのだが]
……来ているのであれば、声はかけておこうか。
[小さく呟き、意識を凝らす。
自ら『種』を与えた子であれば、多少離れていても声を届ける事ができるのは知っているから。
それ以外の同胞に対してもできるかどうかは、試した事はないけれど。**]