[森の中にも警備の兵があちらこちらにいて邪魔だったので、砦から少し離れた場所をそぞろ歩く。
さすがにこの辺りなら誰もいないだろうと思ったが、うっかり人影と行き会った。>>24
身なりからしてアーレシアの森林警備部隊だろう。
鼻先が黒く見えるのは錯覚か、と目をこらしたところで、相手の顔が記憶と繋がった。]
そこにいるのは、我が友カスパルではないか?
なんだ。まだ人間をやっていたのか。
とうに狼か熊にでもなっているかと思っていたぞ。
[出奔する前の知り合いに会うのは覚悟していたが、これはまあ、珍しい部類の相手がいたものだ。*]