[現状、世の中は平穏無事も過ぎるほど。俺が軍入りした10年ほど前ですら、多分にその予兆はあったどころか、ほぼほぼ平穏そのものだった。精々、続いていた小競り合いの中の残り火の鎮火、程度の、些細な出動くらいなもので、随分暇なものだった。況して、今など言うまでもない。では彼女は何があって軍に入ったのだろうかと。(15年も前に退役してしまった彼女の祖父については生憎と知らない事だった。)そんな疑問を湧かせたからこそ、護国兵のような事をする為だろうかと思ったのだ。]**