…俺さぁ、故郷が近いんだよな。
いや、結婚の約束した幼馴染なんていねぇよ?
[そんな存在はいなくとも、大事な人はいる。
自分を拾ってくれた養い親に、村人達。
彼らの住む村が戦場に近く、それも憂いの一つとなっている。
そしてもう一つ。]
―――――……。
[偵察の時に見た、一人の騎竜師の姿が脳裏に浮かぶ。
遠い昔、記憶も薄れるくらい幼い頃に一緒に遊んだ幼馴染に面影が重なる姿。]
……違うよな。
[呟く声は喧騒に飲まれて消える。
しかし脳裏に浮かんだ姿が消える事はなく、溜息を一つ落とした**]