[暗く霞んだ視界。音も匂いも遠い。映るのは剣気と、戦場の"バランの敵"の気配だけ][バネが弾かれたように、低く跳躍する。相手の間合いや力量を測るだけの知は、とうに壊れていた。真っ直ぐ、何も考えずに"敵"に突っ込む襲撃。思考がないぶんだけ、吸血鬼の雛が体現するには、恐らくは異常なほどの速度で**]