― 公国軍拠点 ―
[建て直し期間として設けられた短い時間は、
後は、山のように舞い込む仕事に追われることとなった。
トールとミヒャエル、彼らの安置された部屋に足を運び、これまでの礼と短い別れを告げて。フレデリカの配置換えを改めて兵に通達し、送り出す。
あれ以降、カサンドラからの連絡は無い。
敵兵の手に渡った可能性があるために、共有している通信機のスイッチを入れることはほぼなくなっていたが、その日は通信をオンにしていた。
帝国側での動きを偶然傍受出来ることに期待したのもあるが、
……もしかすると、胸騒ぎであったのかもしれない。]