―仮想現実の外・ごめんなさいのふわふわパンケーキ―
[例のテストプレイから数日後。
第二閲覧室の翻訳者デスクにひょっこり出入りする小さな影があった。
以前翻訳したレシピを見て作った、ふわふわに焼き上げられたはちみつたっぷりのパンケーキとあたたかいはちみつミルクのマグが載ったトレイを手にして。]
…仕事中かなあ。
[元はといえばゲーム内とはいえ浮気したこちらが悪い。
ごめんなさいを言いに行くだけだと入りづらいから、差し入れにきたことにしよう。]
…声をかけて大丈夫かなあ。
[時々やる気が迷子になった時に声をかけるべきかとも思ったが、意を決して近付いていく]
…えっと、カーク。
おなかすかない…?
[あわよくば、同じデスクでご相伴にあずかりたいなあ。]