…あはは、そっか。本物はそこにいたんだね。
[乾いた笑い声が部屋に響く。ぽつりと零された言葉は、ようやく本心が見えたようで、それでいて底は見えない、そんな声だった。]
そう、僕なんて所詮紛い物。他人を守れるチカラなんて、ない。
…相手が灰ならいざ知らず、確白相手なら破綻を認めざるを得ないよね。
[俯いていた顔をあげる。瞳には、鈍い光が灯っていた。
何かを諦めたような、それでいて何かに縋り付くような?
ただ、くすくすと楽しそうに嗤う。]
ふふふ。僕が何者か、当ててごらん?
ま、2択しかないんだけど。
[そう言って、今度は冷めた眼差しで皆を見つめた。]