流民 ロー・シェン

[洞穴に居た元・うさぎ達は
外を目指し、或いは小屋を目指して出て行ったか。

子宮に取り残されたうさぎ達は、三羽。
目前、謝意を紡ぐマレンマへ、緩く首を振った。

他のものたちは、彼がおねぼうオオカミと解っていたのに。
彼は確かに、悲鳴を挙げていたのに。

リヒャルトもまた、悲鳴を挙げているように感じられたのは
錯覚ではなかったのだろう。
マレンマへ共鳴していたのか、同調していたのか――
解らずも、彼らを纏う空気はとても、似ていて]

　君がまねっこだったら、……