[……やがて。>>25聴こえた声に、顔を伏せたまま。] …………お守り? これが? 貴様の?[どうやら本当に何も聞かされていないらしい、と悟るが。既に、言葉を選ぶ余裕すらなく。] ……笑わせるな。 これは、私の母がお前へ送った物だ。 本来なら、私の婚礼に祝いの品として持たされるべき水晶だ。私が持っていて、何が悪い?[乾いた哂いは喉に貼り付き。母譲りの琥珀の双眸に、霧を纏わせて。]